生ハムの食べ方? (Cómo comer "Jamón serrano"?)
2006年 02月 14日
(ホームページの≪スペインふう家庭料理≫をブログに統合し、記事を持って来ました。記事の年月日はオオヨソです。)

a0072316_1315596.jpg生ハムっておいしいけど、家にあっても使いこなせない…と言われて(ジオログ)その内「生ハムの食べ方」について書きますと言ったのに、中々書けない…

先ず充分に熟成されたおいしい生ハム。これはそれだけで食べるしかない、それが最高においしい食べ方です。勿論他のおつまみがあっていいし、合間においしいパンをひとくち食べたり、ワインやビールで喉をうるおす。だけど生ハム自体に何かを混ぜたり、味を付けたりはしない。サラダに入れるなんて「モッテノホカ」です。

何にでも一家言ある人ってどこにもいるけど、スペイン人のそういう口ウルサイのに言わせたら、上等の生ハムをドレッシングの酢味で汚すなんて「冒トク」だと言いかねない! そ、ボートクです、ボ・ウ・ト・ク。(ノートパッドには正しいトクの漢字が入ってない。当用漢字じゃないのか…でも代わりに出てくる漢字、気に入らないからカタカナにしてしまった。すいませんが各自、辞書で確認してください。)

だけど「おいしい生ハム」とそうでないのを、どうやって見分けるの?
そして他にどんな料理を並べればいいの?
おいしいパンってどういうの?

そう。ワインやビールはお金を出せば、日本でもそれなりの物が手に入るけど、それ以外の
要素をどう詰めるか? ってことだ。

先ず「おいしい生ハム」をどこで見分けるか?
生まれた時から生ハムを食べてるスペイン人たちは、それほど高くなくてもおいしい生ハムを見分けるのがうまい。お手ごろな値段で「うん、コレはイケそう」ってのをちゃんと見分ける。
でも日本人にはこれは難しい。近くに「目利きのスペイン人」の友達がいない時は、食べてみるしかない。色んな値段と外見のものを食べ比べて、おいしい生ハムの特徴を掴んでいく。

「超高級」の生ハムはスペインでも高い。でも普通の庶民が普段口にするのは、それほど高く
ない「普通の」生ハムだ。そして、今日本に輸入されて、ネットやスーパーなどで売られている
生ハムの大半は、「ちょっといい普通」の生ハムの感じがする。日本での値段は「高級」並だけど!

a0072316_13144844.jpg色は「濃い目」がおいしい。「淡いきれいなサクライロ」なんてのに騙されちゃダメです。それは
元の肉の色が薄いか「熟成」が足りない「生」の色。
同じ生ハムの足でも外側と内側、つまり外腿と内腿では色が違う。内腿の方が色が濃くて、この内側の部分だけを Centro de jamón として売ってることがある。結構良いです。

で次の問題は、そうやってとにかくゲットした生ハムを、どうやって、又どういうものと一緒に食べればいいのか?

そもそもスペイン人なら、庶民的な値段の「普通の」生ハムを、どうやって食べるのか?

a0072316_13171564.jpg例えばバゲット・タイプのパンにそれだけ挟んで食べる。ボカディージョ・デ・ハモンという。
パンにはバターも何も付けない。ついでに言うと、おいしいパンは何も付けなくてもおいしい!

同じくバゲット・タイプのパンに生ハムとスライスしたフレッシュ・トマトを挟んで食べる。
或いはバゲット・タイプのパンに、ニンニクやトマトで風味付けしたものに生ハムを挟んで食べる。これはニンニクやトマトを切った断面をパンの断面にこすりつけて風味を移すのだ。

同じパンを軽くトーストして、オリーブ・オイルをたらしたのに挟んでもおいしいかもしれない。
ついでに言うとスペイン人は、オリーブ・オイルをバターの感覚でパンにつけたりする事がある。
或いはバゲット・タイプのパンにチーズと生ハムを挟んで食べる。

これらは簡単な食事や子供のおやつとして、ごく日常的な食べ方だ。

それからメロンに生ハムを乗っけた所謂「生ハム・メロン」は普通の食事の前菜、というかメイン・ディッシュの前の料理として使われる。でもこのメロン、日本で売ってるメロンとは種類が違い、味も違う…そして値段は安い!

オードブル風に色んなものと一緒に食べたければ、チョリソや他の豚肉製品、チーズ各種などを並べて、そしておいしいパンがあればそれでいい。デザートは、これ又種類が豊富で値段も安い果物をたっぷり食べれば、それで簡単な食事になる。

でも日本じゃ先ず、パリッとしておいしい本物のバゲットに中々出遭わない。本物のチョリソやサラミなど、他の豚肉製品も手に入らない。チーズの種類も少ない。メロンの種類も違うし、高いし、トマトもへたすると赤いだけで、柔らかすぎて味がない、デザートにする果物は高くて、ちょっとしか買えない…
こうして見てくると、生ハムと一緒に食べておいしいものって、生ハムと同じで、スペインではごく普通に手に入るものでも、日本だと見つけるのが難しかったり、高かったりするものばっか…

あーあ、メゲるなあ…でもしょうがない、ここは日本だ…と自分に言い聞かせつつ…
うん、おいしいパンが見つからなかったら、トーストしてバターでも塗るか? 
スペインのケソ・マンチェゴはないけど、好みのチーズを幾つか切って並べてみる。
そして普通のソーセージでも、レバーペーストでも何でもいいから…とにかくテーブルに並べる。
そして肝心の生ハムも、予め冷蔵庫から出し、そしてパックからも出して暫く「汗をかかせた」ものを並べる。コレ、生ハム専門店の人から聞いた裏ワザ(?)。スペインだとその場でスライスしてもらう小売が殆どだけど、日本では逆に真空パックになってるのが普通だと思うので。

で各自好きなものを取って、パンに乗っけて食べてみる…あれ? つまり生ハムは生ハムとして、ただ食べるってだけか? こんなにいっぱい書いたのに!?

でも、料理が苦手な人でも、上に挙げたようなものを綺麗に並べて、サラダとか作って、それに
オリーブの実とか添えれば、それなりに結構感じが出るんでない?

そして、これなら絶対生ハムにも合うっていう一品、それは他でもないトルティージャ!! 
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これならジャガイモと卵があればできる。
あときのこの炒めたのとか(マッシュルームなどに、ニンニクと赤唐辛子で風味をつけて炒めるとスペイン風になる)、海老のガーリック・オイルとか、日本でも作れるスペイン風のオツマミ、或いは一品料理は多々あれど、ここでは紹介しきれない。逐次メニューに加えるつもりですので、今暫く待っていただけませんでしょうか? 書くのが遅くて恐縮ですが。

待ちきれない人は、たとえば右にリンクのある MICAN さんのHP:「スペイン料理大好き」に行ってみてください。

最後に、庶民的な生ハムが最もよく料理に使われる場面、それは炒め物や煮物。
a0072316_19421559.jpgでもこれも日本の炒め物や煮物とは大分イメージが違う。インゲン豆やふだん草、カリフラワー…一般に茹でる野菜ならなーんでも、たーっぷりの量を、日本のオヒタシの数倍の時間をかけてクタクタに塩茹でし、最後にお湯を切ったところへニンニクの刻んだのと生ハムのクズを放り込み、オリーブ・オイルをたらしてザッザと混ぜる。その他生ハムのクズや安い生ハム・ブロックは、豆類を煮込んだりスープのダシを取ったりするのに大活躍する。

つまりね。生ハムは、安いものでも、それに味を付けて食べるよりは、それで他のものに味や
風味をつけるのに使われるということ。上等の生ハムにお酢をかけたりしたら「冒トク」だって
言いそうな「ウルサイ」スペイン人の気持ちが、少しは代弁できたでしょうか?

あ、それからケチャップやマヨネーズもかけちゃダメ~!!!
(興味のある方は、12番目のひとりごと: 「生ハムにケチュップ」をお読みください。)

というわけで、日本のスーパーで売ってるスペインの生ハム、私は温野菜の味付けに使う。
ちょっとリッチな気分になる。
それからスパニッシュ・オムレツのところに写真を載っけた「生ハム入り」のトルティージャ。あれは普通 tortilla paisana (田舎風トルティージャ)といって、ジャガイモの他にピーマンやパプリカを入れて作るのを、「本当の生ハムの定義」で書いた、最高級の生ハムを出す店で頼んだら、その最高級の生ハムのクズが入って出てきたのだ! 
それに感激したので、「ちょっといい普通」の生ハムを小さく切ってマネしてみたのだ! 
おいしかったヨ! ごめんなさい。(2006年2月)
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by peque-es | 2006-02-14 13:06 | スペインふう家庭料理
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