温水暖房…とスペインのコタツ
2008年 01月 24日
地球温暖化ってどこの話? と言いたくなるような寒い日が続いている。
2003年にスペインから帰って来て以来、一番寒い冬じゃないかと思う。
でもこの寒さで皆が暖房器具を目一杯使ったら、又温暖化が進むのよね…と思っていたら、現に、今日来た電気代の請求書、史上最高額…ガァ~ン047.gif

決して安くなかった先月の電気代より、更に6千円近くもアップ!(@@;)
冷暖房の要らない月、つまり電気代が最も安い月と比べると5倍近く!!(◎◎)

スペインのマンションには集中暖房が付いていたので、年間を通して電気代は一定だった。レンジは電気だったが、それでも今のマンション(レンジと湯沸かし器はガス)の一番安い月位の電気代…しかも集中暖房込みの管理費も、今のマンションより安かった。広さは同じ位なのに…ついでに言うと、エレベーターも付いてなければ、管理人も常駐していないマンションの管理費が、エレベーターが複数付いていて、管理人が常駐していて、集中暖房と集中給湯のあったスペインのマンションより高いのは何故だ? 039.gif と、前々から思っているのだ。

おまけに日本じゃ、夏は冷房、冬は暖房で光熱費が跳ね上がる。今月はちょっと例外としても、今概算してみたら、年間の管理費&光熱費、日本の方が2~3倍はかかってるかも…正にダブル(トリプル?)・パンチ…047.gif047.gif 又は 047.gif047.gif+047.gif

…これってスゴク効率の悪い話じゃない? という訳で、前々から一度書こうと思っていた、温水暖房の話。

スペインで住んだ家、8軒位ありますが、大体ミドル・クラスの建物で、古さは今を基準に数えると、築20年~60年位の間? その殆どに温水式の集中暖房(calefacción central、カレファクシ・セン)が付いていた。
(住んでた所で一番新しかった建物には、集中給湯はあったのに、暖房用のラジエーターはなく、未だにどういう暖房システムだったのかよく分からない…(・・;)…部屋の温度を設定するようになっていて、寒くはなかったのだけれど…(・・?)

この集中暖房というの、システムはどんなかと言いますと、建物に集中ボイラーがあって、それで温められたお湯が、建物内の各戸に、そして各部屋に供給される。そして部屋にはラジエーター(radiador-ラディアドー)があって、その輻射熱(…って言う?)で部屋が暖まるという仕組みですね。(スペイン Wikipedia の radiador についての説明はこちら。モダンなラジエーターの写真もあります。)
このラジエーターの中を温水が循環してる訳です。だから温水暖房、と言う事にする。

一昨年泊めて貰った友達の家では、建物全体ではなく、各戸ごとの集中暖房になっていた。
つまり建物の集中ボイラーの代わりに、ガス湯沸かし器と暖房がセットになったような装置が台所にあって、そこで沸かされたお湯が、台所や浴室のお湯と各部屋の暖房の両方に使える仕組み。

つまり「温水暖房」といっても燃料は色々あって、でも実際に部屋を温めるのに使われるのは、温水の循環してるラジエーターって訳です。

でこの、スペインでは一般的だった温水暖房システム、日本に帰って来て以来つくづく、あれって結構効率のいいスグレモノだったな~…と思うのです。

先ず、部屋ごとにストーブを買ったりエアコンを取り付けたりする必要がないっ!
共通の熱源で、全部まかなえちゃうのですよ! (家にもよりますが、集中暖房のある家では大体、各部屋にその部屋のサイズに合わせたラジエーターがあり、玄関、廊下、浴室などにも必要に応じて設置されている。)
それから、熱源はそこにないので事故や火災の心配もない。
エアコンのように風が来たり、音もしない。
更にラジエーターの寿命は、エアコンやストーブよりずずず~っと長いと思われる。お湯を沸かすボイラーや湯沸かし器は一定期間を過ぎれば買い替えが必要になると思われますが、各部屋のラジエーターは、それよりず~っと長持ちなのだ。
ちなみにうちにあったのは30年以上経ってたと思う。家を買った時に取替える予算がなかったので、古いのをそのまま使っておりました。栓の部分から僅かに水漏れがあったのを、借りて来たスパナで締めたら直ったし…(゜゜)

そして最近思うのは、温水が配管を通って各戸、各部屋に運ばれる。その配管は壁の中を通ってる訳で、要は壁の断熱効果が高まるというか、建物全体が暖まる仕組みになってたって事じゃないか? という事。但し、これには壁の構造が大いに関係してると思われますが…

エアコンやストーブって、回りの空気を暖めるだけなので、切ったらすぐに寒くなる。
それに引き換え、水はすぐには冷めない?
上に書いたように壁の構造もあるでしょうが、気温から言うと今住んでる所と同じか、時にはより寒くなると思われる内陸部マドリッドのマンションで、毎日午後の数時間、集中暖房が入るだけで良かったのだ。(マンションの共同管理なので、決まった時間帯しか入らないのですが、それで足りてたって事です。)
外で冷たく乾いた冬の洗濯物を、ラジエーターの上に置いておくとホッカホカになるという、副次効果(?)もあった。

しかも、その為の光熱費は、今日本のマンションで払っている額の何分の一って単位な訳ですよ。

日本の、部屋それぞれにストーブやエアコンを点けて、それぞれに光熱費がかかって、しかも切ったらすぐに寒くなって、家全体は温まらないっていうシステムよりも、ずっと効率いいと思いません?

フランコが死んで間もなく、未だヨーロッパの田舎と言われ、ピレネーを越えればアフリカと言われ、ECにも加入してなくて、バブル経済目指して驀進中だった日本に比べると、一見遅れて見えた80年頃のスペインで、集中暖房は当時既にスタンダードな仕様だった。

それから30年近く経った今、日本に集中暖房の家や建物がどれ位あるのか?
こんなにスグレた暖房システムが、何故日本で普及しなかったか? と考えると、色んな方向に話が飛んで行きそうなので…止めておこう…でも日本の家やマンションを売ってる皆さん、地球温暖化防止の為にも、ゼヒゼヒ、もっと暖房効率のいい家を研究して建てて下さいマシ…と、常にも増して切に思った、今月の電気代だったのだ…



ところで、初めて行った頃のスペインでは、冬になると石炭トラックが回って来て、あちこちの家に集中暖房用の石炭を供給していた。街中に carbonería (カルボネリィア)、つまり carbón (カルン、石炭)を売る店もあちらこちらに残っていて、昔ながらの石炭ストーブ用などに、小売もしてくれた。
でもこの石炭、灯油などに比べて公害がひどくなるらしく、今では滅多に見なくなった。石炭トラックの臭い(つまり石炭の臭い?)、なんとなく懐かしいような気もしますが。

で、公的援助などもあったようで、マドリッドでは多くの建物で、集中暖房のボイラーが石炭式からガス・オイル()に切り替わった。

マンションなど建物全体の集中暖房は、それが建てられた時期によって、必ずしも全ての建物にある訳ではない。新しい建物でも、集中暖房は戸別の暖房費の計算がどんぶり勘定(?)になる事や、暖房時間が自由にならない事から、上に書いた友達の家のように、戸別暖房となっているところもある。でも戸別でも、1戸1戸では「集中暖房」、 つまりひとつの熱源で家全体を暖めるシステムで、スペイン語で calefacción (カレファクシン-暖房)と言ったら、普通はラジエーターを使った暖房を指す。
ちなみに、それ以外の暖房器具には、estufa (エトゥッファ-ストーブ)とかcalefactor (カレファクトー-温風器)などがある。
(勿論新しいオフィスなどではエアコン -aire acondicionado- システムもありますが…

あ、もうひとつ! 忘れちゃいけないスペインのコタツ! 

Mesa Camillaサ・カミージャ)と呼ばれる円形テーブルの下に、braseroセーロ)と言って brasaッサ、つまりオキ-漢字が出て来ないっ-)を入れた容器を置く台が付いていて、それをすっぽりと厚手のテーブルクロスで覆う。これって正にコタツじゃないですか? しかも足が伸ばせる掘り炬燵!?

テーブル自体は隠れてしまうので、圧縮材のようなものを使ったごくシンプルな作りで、お値段も経済的。
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どんな感じかは、こちらの写真をご参考に。

尚右の写真は、スペインで最後に住んでた家を引き揚げて来る前に、記念に(?)撮ったもの。
引越し荷物を運び出したところで、ヘンなケーブルなど写っておりますが、真ん中より少し左に見えるのが一応石造りの暖炉、右の窓の下にあるのが、30年以上経ったかなり古いラジエーター、そして窓の外に見えてるのは、いつぞやの記事で書いたスペインの雨戸、つまりシャッター・ブラインド(persiana)であります。

*注: gas oil - miriyun さんのコメントから辞書を引いてみると、ガスオイル、ディーゼル油と出ていたので、「灯油」から書き直しました。(2008年1月26日)
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by peque-es | 2008-01-24 01:22 | 街、家、道…
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